コラム 2




先日、兵庫県で4匹の犬に幼稚園児と引率の先生が後ろから襲われ、腕などを噛まれて2週間の怪我を負った人もいるとのこと。
紀州犬2匹雑種2匹すべて♀だそうですが、この際犬種・性別はどうでもいいですね。
柵の中に入れて飼っていたのが、施錠のミスで出て行ってしまったってことも飼主のミスですから、ここでは問題にしません。
このニュースで特に、特に腹立つなあ、くやしいなあと思うことは3つ。
まずは、なんでその犬4頭は柵から放されたからって、人を襲って噛んだろう。
これです。
解放感に浸るなら、その辺駆け回ってればいいでしょう。
よっぽどイライラがたまってたんじゃないか。
ちゃんと日頃散歩してたのか?
飼主は、この犬たちが逃げたときの危機感を持っていたのか?

犬には『集団心理』があります。
4頭も一緒に囲いに飼えばその中で秩序が生まれ、しつけに失敗すると、人よりリーダー犬の指示を優先することになります。

余談ですが私が伺う家庭の中には、数頭飼いしている中の、一番年齢の若い犬だけをしつけトレーニングしようとしてる方もいらっしゃいますね。
この場合1頭飼いとは違い、先輩犬と飼主さんがしっかりつながっていないと、後輩犬だけしっかりしてくれと言っても虫がいい話なんです。
さらに後輩犬と飼主さんのトレーニングをみて、先輩犬がジェラシー感じたり。
そしてさらに犬の性格、頭数によって状況は変わり・・・キリがないのでこの辺で書くのは止めますが・・・・。
多頭飼いでしつけに悩んでらっしゃる方は、まず、一番゛発言力"の強い犬とコミュニケーションをとって下さい。
といっても、それが最年長の犬とは限りません。

話を戻します。

この事件で、飼い主の責任も追及されるでしょうが、それは自業自得。
それよりも、この4頭は≪人を噛んだ犬≫としてレッテルをはられてしまうでしょう。
犬に「自業自得だ。お前の責任だ。」とは言えないでしょう。
これが、腹立たしく悔しいなと思う一つです。

そして最後の一つ。
噛まれた、噛まれないは関係なく、ともかく犬に襲われた、このお子さんたちのことです。
この子達は、将来大きな確率で「犬嫌い、見るのも怖い、近くによって来ないで!」となるでしょう?
実際、犬嫌いの人の話を聞くと、子供の頃噛まれた経験があるってこと多いですよね。
人間でも犬でも、小さい頃のショックな体験は、頭にインプットされちゃいますからね。
゛トラウマ"心の傷ですね。
寂しいことです。
犬の良さを知ってしまうと、みんなに、せめて、犬が嫌いとは思っていてほしくない。
この事件にかかわった人たちの耳にまた「犬が人を噛んだ」のようなニュースが入れば、「またかよっ、犬飼ってる人しっかりしてくれよ!信用できねえよ!」となるし。
聴導犬、介助犬、盲導犬ですら理解度がまだまだ、交通機関、宿泊施設が自由に利用できない世の中ですから。
ノーリードの犬は怖い、とか、「この犬は大丈夫。」と飼い主は言ってるけど、どうだか分かったもんじゃない、という風潮を広めるような、こんな事件は二度と起きないでほしいと願います。



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