コラム


特に、大人の飼犬にしつけをやり直そうとする依頼で、ジレンマを感じることがあるんですね。
皮肉というか、呼び寄せやマテを理解していながら、オスワリができないために、犬がなかなか落ち着かないことがあるんです。
あ〜もったいない。

飼主さんが、呼び寄せた犬をホメようとしても、オスワリができないものだから、フラフラ〜とまたどこかに行こうとしてしまう。
あ〜もったいない。

これじゃあ、全体的なしつけに時間がかかっちゃいます。
神経質だろうと、のんびり屋だろうと、家に犬を迎え入れた時点で、オスワリを教え始めましょうよ。
将来、しつけに失敗して、噛む・吠える・呼びが効かない・待てない・・・・・と、トラブルがおきた時、「スワレ!」と家族が言えば、犬が座るようになってるだけでも、悪い癖を治す糸口が見つけやすいですよ、ハイ。








今は、犬の情報は色んな所からチョイス出来ますね。
テレビ、ラジオ、インターネット、本etc・・・・と。
それはそれとして、別にかまわないんですが・・・・。
しかし!最近ヒジョ〜に気になる動きがあります。

かつて、シベリアンハスキーがブームになりました。
あれも、マスコミの影響は大きかったですね。
人気の出た理由の一つは、ハスキー子犬のかわいい画を、テレビ等で紹介されたためと聞きます。
そして、最近“ボーダーコリー”に、同じようなマスコミ効果が出てる気がするんです。
主には、やっぱりTVですね。
紹介のされ方自体は、「頭が良い、仕事熱心」と、犬種の特性をちゃんと言っていて、それは説明として成り立っていると思いますが・・・・・。
ボーダーコリーは牧羊犬としての歴史が長く、まだまだ家庭犬としての歴史は短い犬種なんです。
その辺の所をしっかり理解し、ドッグスポーツなどを一緒に楽しもうとする家庭には、いいと思います、が、
<頭が良い=しつけやすい=家庭犬に向いてるんだろうなあ>と簡単に考える人には不向きです。
向いてません。
その点はボーダーコリーだけではなく、猟犬種などでも慎重に考えてほしいですね。

以前にトレーニングで伺った家の、当時2才のボーダーコリーは、引っ張りグセ、呼びがきかない、マテが出来ない、と典型的なしつけの失敗状態でした。
これだけなら、どんな犬でも(ボーダーでなくても)ありえる話です。
このボーダーの場合も、甘やかしてしまった結果の失敗として、飼主さんも気持ちを切り替え、運動量を増やし、しつけもやり直し、努力の甲斐あり大まかには落ち着いていきました。
さて、この飼主さん、犬の散歩はいつもお子さん(幼稚園生)を連れて公園に行くパターンが中心で、夕方薄暗くなる時間帯が多いのです。
そしてこの夕方の散歩で毎日のように悩まされる問題行動が犬にあって、この行動はトレーニングのやり直しの中でもナカナカ治らない強烈なクセでした。
ヒントはコウモリ!!!
そう、コウモリ。
ヒ〜ラヒ〜ラと夕方飛んでるのを見かけたことはあるでしょう。
あのコウモリを空中にある囲いに集めようと(?)して駆け回るクセが、この犬にはこの家に来てからずっと続いていたんです。
コウモリを“捕まえよう”とするんじゃないんですよ。
あくまでも、バラバラに無数に飛んでるコウモリを、一ヶ所にまとめようと、相手の前(?)に廻り込もう廻り込もうとするんです、しかも軽くジャンプしながら(苦笑)。
まさしく、牧羊犬のコウモリ版!

呼び戻しも、この時ばかりはいつもの1割2割の成功率に急落する状態が長く続きました。
そんな時に限って、お子さんがリードに手をかけてたりするんですよ。
それでお子さんが引きずられた事もあり、コウモリを見かけるたびに大変な緊張もしなければならないし、お子さんにリードを任せられないは当然のことになり・・・・・。
これは、さみしぃ〜かなしぃ〜生活ですよ。
せっかく飼ったのに。
散歩も苦痛になりかねないわけですからねえ。
その後、このクセも飼主さんの努力の甲斐あり、少しずつ治っていきましたが・・・・・やっぱり飼主さん自身の緊張感はな〜かなか取れないそうです、今でも。
かといってコウモリを避けて生活するのは無理ですもんね(苦笑)。





もちろん、もちろん、散歩や遊びに、ある程度の時間とエネルギーがかけられる家庭なら、飼っても大丈夫だと思いますよ。
これを付け加えておかなきゃ、まるでボーダーコリーがよくないみたい(笑)。
結論を言いますと、正直、犬を初めて飼う家庭では、飼ってほしくない犬種ですね。
何頭かは犬を飼ったことがある人(しつけもちゃんとやってきた人)になら、ってところです。






いやあ〜参っちゃいました。

自分の犬の散歩中に出くわした、飼主さんと犬たちのことなんですけどね・・・・・。



土手のランニングコースを歩いてたら、向こうから敵対心まるだしの犬2頭出現!
左の絵のように、片手に1頭ずつ、それもガンガンに前に引っぱってる状態。
この絵ではちゃんと描いてないですけど(手抜きです、ハイ)、横は柵になってるので脱出不可能!
ピンチでした。
あちらの飼主さん自身(女性です)は、パニックになりながら押さえてる状態で、これは横をすり抜けるのは無理そうだなぁっと考えてると、この飼主さん、こういう場合のマニュアルが出来てるのか、サッと向きを変えて引き返して行ってしまいました(苦笑)。
たしかにその場しのぎではいいでしょうけどね・・・・・ウ〜ム。
この2頭もかなりくやしいらしく、引っぱられながらも遠ざかる中で、しばらく吠え続けてました。
それはそうですよ。
あの犬たちの身になってみれば。
相手に進路をゆずる。
これは負けに等しいことで、縄張り意識がめっぽう強い・上下関係にめっぽうウルサイ犬たちには、こんな屈辱は無いんです。
その場はよくても、問題は今度会ったときです。
ケンカを吹っかけられる可能性も大なのです。
ア〜心配だあ。
今度会った時、あの犬たちのリード(紐)が離れでもしたら・・・。












この話はこれで終わりですけど、ここで一つ。

犬に会うと、過剰に怖がったり、噛んだり吠えついたりする犬と生活して困っている方に一言。
こういう風に犬同士が道でかち合ったら
“素通り”するように普段心がけてみてください。
相手の犬を、ロボットか木製の置物だとでも思って気にしてないフリをして。
実際のところ、犬が緊張する原因の一つは、飼主さんが緊張することですからね。
まあ、このアドバイスも自分の犬や相手の犬のしつけの入り具合、その場の状況にもよることですからあくまで一般論、ということで。
でも理想はそうですよ。




それから2頭で散歩する方、ぜひ2頭とも同じ側に!
リードを2本束ねて持ったり、途中で二股に分かれたリードを使ってみたりして。
もちろん、これも2頭それぞれのしつけの入り具合、サイズの違いなどで、そう型通りにいかない事もあるのは付け加えておきますよ。

ちなみに、年長の犬・しつけの入ってる方の犬・落ち着きがあるほうの犬を外側にすると、うまくまとまりやすいですよ。












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